ある日の足を止めたお客さま
ある日の夕方のことでした。
私たちのお店の前を通りがかった、買い物帰りの女性。ふとロゴパネルに目を留め、足を止め、話しかけてこられました。
「あの・・・、1960's recipe というのはどういう意味ですか?」
私は今日のMELBAの成り立ちをひと通り説明し、「ご試食いかがですか?」とお皿をすすめました。
女性はパウンドケーキをひとくち口にされ、驚いた表情を見せます。そして食べ終わった途端、目からこぼれ落ちる涙が。
聞けば、1970年代にご一家で駐在中だったアメリカで、今は亡きお母様が作ってくれていたパウンドケーキの味にそっくりなのだと。
もう一度あの味を食べたくて、何度も再現しようと挑戦したけれど、できず諦めていた。そんなときに目に飛び込んできたのが「1960's recipe」と書かれた私たちMELBAのパウンドケーキだったと。
お話をうかがって、思わずもらい泣きをしてしまいました。
私自身、かつて味わい、もう一度食べたいと願って復刻したMELBAのパウンドケーキが何十年もの時を飛び越えて、これまでお会いしたことのなかった方とを繋いでくれています。
MELBAのパウンドケーキの化粧箱には、こんな英文が記されています。
With the timeless taste of everyone's favorite corner store, bring back those smiles of yesteryear.
街の一角で皆に愛され、時を刻んだあの味が、また再び人々の笑顔を繋いでくれますように。
街の一角で皆に愛され、時を刻んだあの味が、また再び人々の笑顔を繋いでくれますように。
私たちは人々の笑顔を繋ぐため、今日も明日もMELBAのパウンドケーキをお届けしていきます。
(有限会社丸の内 代表取締役 橋口一知)